人に迷惑をかけてはいけない!!
と言っていませんか?
誰もが言われたり言ったりしたことがあるこの言葉。
実は言ってはいけない言葉だったのです。
ここ最近の日本は「人に迷惑をかけるな」と言い過ぎです。その結果、不寛容な世の中になりつつあるように感じています。
そのため、ネット上でも現実世界でもすぐ炎上も起きてしまいます。なんだか少し生きづらくありませんか?
その原因が「人に迷惑をかけるな」という教えだったのです。
この記事では、「人に迷惑をかけてはいけない」と言ってはいけない理由と、その対策方法を解説します。
子育て中のパパママがこの記事を読むと、心の余裕がうまれ「人に迷惑をかけるな」と必要以上に言わないようになります。
また、子どもの自己肯定感が上がり、助け合えるようになります。
迷惑をかけてはいけないと言ってはいけない理由4選
1. 人が迷惑をかけているのが許せなくなる
「人に迷惑をかけるな」と言われて育った人は、他人の迷惑行為が許せなくなってしまいます。
なぜなら、「人に迷惑をかけること」は絶対にしてはいけないことだと思ってしまっているから。
自分がこんなに迷惑をかけないようにしているのに、なんであの人は迷惑をかけているんだ!腹が立つ!
さらに、ちゃんとやっていない人を見るだけで、イライラしてしまうことや、ほんの些細なことでイライラすることもあるかもしれません。
たとえば、職場のトイレットペーパーが補充されていなかっただけで「ありえない!」イライラしてしまう。
このように、迷惑をかけてはいけないという気持ちが強すぎると、人を許せなくなってしまいます。
これって、ちょっと生きづらいですよね。
2. 人にお願いをするのが苦手になる(頼るのが苦手)
「人に迷惑をかけるな」と言われて育った人は、人にお願いをしたり、頼ったりするのが苦手になってしまいます。
なぜなら、「迷惑がかかってしまうんじゃないかな?」と思ってしまうから。
相手に対して
- 申し訳ないな…
- 自分が我慢すればいいや
- 断られたらどうしよう
人に頼れないし、自分でもどうしたらいいかわからないし、あー、もうどうしたらいいの??
もちろん、子どものうちは親や教師などが助けてくれる可能性も高いですが、大人になると自分から声を上げない限り、なかなか助けてくれないのが現実。
このような状態が続けば、どんな人であってもつぶれてしまいかねませんね。
3. 断れなくなる
「人に迷惑をかけるな」と言われて育った人は、人からのお願いを断るのが苦手になってしまいます。
なぜなら、「断ったら、相手を嫌な気持ちにさせてしまうかも」と思ってしまうから。
たとえば、本当はやりたくないし、忙しくてそれどころじゃないのに、受け入れてしまう。
「断る=迷惑をかける」と思ってしまうのです。
これって、しんどいですよね。
4. 利用され搾取される
もし、あなたが「文句も言わず、断らない人」という印象を相手に与えていたとしたら、利用され搾取されてしまいます。
たとえば、
- 他の人にはこんなきつい言葉言えないけど、あの人になら言ってもいいよね。
- 本当は自分でもできるけど、お願いしちゃってもいいよね。
- なんでもやってくれるし。
もはや、利用され搾取される対象です。
では、どうしたら良いのでしょうか。
実は、そもそも「迷惑をかけたらいけない」が間違っているのです。
その理由を解説します。
迷惑をかけても良い理由
そもそも人は迷惑をかけている(迷惑をかける=助けてもらっている)
人は迷惑をかけながら生きています。迷惑をかけないで生活するなんて無理です。
なぜなら、「私は生まれてから一度も人に迷惑をかけたことがない」という人はいないからです。
たとえば、皆さんもおぎゃーと生まれた瞬間から親に世話をしてもらうなど助けてもらってきたはずです。
特に子どもの頃はいろんな人に怒れ、ある意味で迷惑をかけながら生きていたのです。
もちろん、周囲の親や大人はそれを迷惑だと思っていません。
でも、人に助けられてきたからこそ、今の皆さんがいるのです。
大人だって同じです。
家族や職場の同僚、友人に助けてもらいながら、生きているはずです。
周りの人たちは迷惑をかけられているという感覚がなく親切で助けてくれているかもしれませんが、ある意味で常に迷惑をかけていることが普通なのです。
「迷惑をかける=助けてもらっている」とも言えますね。
だからこそ、誰も迷惑をかけてはいけないと言ってはいけないのです。
知らず知らずのうちに助けられたり、助けている
私たちは常に助けられたり、助けたりしています。
例えば、私たちが当たり前にスーパーで食べ物を買うことができるのは、そこで働いている人や農家の方々が一生懸命働いているからなのです。
「こんなのお金を払っているし、助けられているという感覚なんてない」という声も聞こえてきそうです。
しかし、東日本大震災のあとスーパーに食べ物がなくなってしまったのを覚えていませんか?
あの時、食べるものが普通に買えない状況がこんなにつらいなんて思わなかったのではないでしょうか。
専業主婦の方も同じです。
家族が安心して生活できるのは、専業主婦の方々が家のことを一生懸命取り組んでいるからなのです。
もし、急にケガなどで長期入院することになってしまったら、家族は困ってしまうことでしょう。
このように、私たちが普通の日常を安心して過ごせるのは、知らず知らずのうちに、誰かを助けていたり、助けられたりしているのです。
助け合える子どもになるために
皆さんはお子さんにどんな子どもに育ってほしいですか?
日本のように「迷惑をかけてはいけない」という子育てをするのは、世界的に見ると珍しいようです。
むしろ「迷惑をかけていいから助け合おう」という考えの方が世界的には多いのです。
私自身も子どもには「助け合える人になってほしい」という気持ちの方が強いのが正直なところです。
では、大切な子どもを助け合える人にするにはどうしたら良いのか。
そのキーとなるのが自己肯定感です。
解説していきます。
子どもの自己肯定感を高めよう
助け合える子どもにするには、子どもの自己肯定感を高める必要があります。
なぜなら、自己肯定感が高い子どもは自分の失敗や相手の失敗、多少のトラブルや困難にもしっかり向き合うことができます。
自分の心が満たされているからこそ、心に余裕が生まれる。
その結果
- 人の迷惑を許すことができるし、
- 自分が困った時には人を頼れるし
- 本当に嫌な事や無理なことはしっかり断れる。
- 搾取されることなく相手と対等に付き合うことができるのです。
このように、自己肯定感が高いからこそ、助け合うことが出来るのです。
では、自己肯定感を高めるためにはどうしたら良いのか?
解説します。
成功体験より、成長体験に目を向けよう
一般的に成功体験が大切であると言われていますが、自己肯定感を高めるためには成長体験こそが大切なのです。
なぜなら、成功したり上手くいっても、そこから学ぼうとせず成長しなかったら、その成功は続きません。
たとえば、上手くできたせいで、自信過剰になり慎重さを欠いてしまい、そのあと失敗したという経験は誰にでもあると思います。
成長がなければ「やっばり私ダメなんだ…」と感じてしまいます。
一方で、失敗してもそこから学んで成長体験を積めたら、次こそ上手くいくし、自信を得ることができ、自己肯定感を高めることができます。
成長体験こそが、自己肯定感が源泉の1つなのです。
さらに詳しく知りたい方はこちら>>子どもの自己肯定感の高め方。失敗する子どもは育つ。【成功体験のデメリット編】
子どもの失敗を受け入れよう
自己肯定感を高めるために、相手の失敗を受け入れることも大切になります。
なぜなら、失敗しても受け入れてもらえる家族がいるからこそ、心の安心につながるのです。
その安心感があるからこそ、いろんなことにチャレンジできるし、上手くいかなくても「またやってみよう!」と復活できるのです。
失敗や迷惑をかけてしまったことが許容され、何度もチャレンジできるからこそ、自己肯定感が上がるのです。
そして、子ども自身が失敗を許容できるようになると、相手の失敗も許容できるようになり、困っている人を助けられる人になります。
一方で自分の失敗を許容できない人は、相手の失敗を喜んだり、困っていても助けたりできません。
だからこそ、親である私たちが子どもの失敗を許容することが大切なのです。
さらに詳しく知りたい方はこちら>>失敗する子どもが育つ自己肯定感の高め方【失敗を受け入れ、共感しよう】
「迷惑をかけるな」より「困っている人を助けられる人になろう」
ここ最近の日本はどんどん不寛容な世の中になってきています。
- 失敗しない人なんでいません。
- 迷惑をかけない人なんていません。
- 失言しない人なんていません。
必要以上にイライラしてしてしまう。
そんな生き方を子どもにはしてほしくありません。
だからこそ、人と助け合って生きていける人になってほしいと思っています。
この記事を通して、「迷惑をかけてはいけない」の裏側にある危険性を理解していただけたでしょうか。
もちろん、「迷惑をかけてはいけない」場面もありますが、必要以上に言い過ぎてもいけません。
そのカギとなるのが自己肯定感です。
このブログには子どもの自己肯定感を高める子育てのヒントとなる記事がたくさんあります。
もし、この記事が良かったと思っていただいた方は、そのほかの記事も読んでいただけると子育ての参考になると思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
では、また♪
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