- 「ママ、ぼくえらい?ぼくいい子だった?〇〇してもいい?」とよく聞かれる
- たくさんほめているのに満足してくれない。
- どれだけほめたらいいかわからない。
今回はそんなお悩みにお答えます。
- ほめることは良い事である
- ほめるとやる気がでる
誰もが聞いたことのある言葉。言わば常識です。しかし、実は大きな危険性をはらんでいます。
たとえば、大人の顔をうかがいながら行動する良い子症候群になってしまうこともありえるのです。
この記事ではほめることの危険性とその解決方法や子どものやる気を引き出す認める声がけについて解説します。
この記事を通して、ほめること育てから認める子育てを心がけることで、子どもが人の役に立つ喜びを(貢献)を感じられたり、子どものやる気や自己肯定感を高めることができます。
そのためには、ほめるのではなくIメッセージを使った認める声がけを心がけることが重要になります。
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ほめるとは
- 評価をすること
- 主語があなた
例えば
- 「あなたはいい子だね」
- 「お片付けできてえらいね」
これらは親が子どもに対してよい子かどうか、えらいかどうかを決めている言葉、子どもを評価していることと同じ意味です。
また、日本語として主語が省略されていますが、これらは全て「あなたはいい子」「あなたはえらい」と言うように、主語があなたになっていますね。
このようなほめ言葉を主語がYou(あなた)になっていることからYouメッセージといいます。
ほめることの4つのデメリット
ほめることの4つのデメリットを紹介します。
- 良い子症候群になる
- ほめる=おどし
- 自分らしさを失う
- 自分で決められなくなる
その理由を詳しく見ていきましょう。
1.良い子症候群になる
- 「ちゃんと座っていて、いい子だね」
- 「お片付けできて、えらいね」
これらは一般的なほめ方です。しかし、この言葉の裏側には
- 「ちゃんと座らなかったら、いい子じゃない」
- 「お片付けできなかったら、えらくない」
という意味が隠されています。
評価のニュアンスが含まれ、「良い子でいるには、手伝わなきゃ」と追いつめられることになりかねません。
- 良い悪いを他者が決めるのがYouメッセージ
- 自分の価値を他者が決めるのがYouメッセージ
なんだかとても怖いですね。このようにほめられると、子どもたちは必死にほめてもらおうと行動します。
そもそも本当のやる気は外からはたらきかけるものではなく、子どもの中から湧いてくるものです。
2.ほめる=脅し
「お片付けして、いい子だね、えらいね」はよく使われるほめ言葉ですね。
しかし、その裏側には「お片付けしないと、いい子じゃない、えらくない」というメッセージが感じられます。
当然ながら、このようなほめ言葉を浴びると、子どもたちはよい子でいようとします。親も「次も片づけてほしい」という気持ちがあい「いい子だね、えらいね」とほめているはずです。
「いい子」のようなほめ言葉は、親から子どもへの評価であり、言葉のご褒美(エサ)で子どもをコントロールしようとしているのです。
「そんなつもりはない」という声も聞こえてきそうですが、「次も片づけてほしい」という気持ちが全くないと言えますか?
もし次の日、子どもが片づけなかったら「昨日は片づけたのに!」とイライラしませんか?
キレイな言葉を使っていますが、子どもをコントロールしようとしているほめ言葉の本質は脅しと同じと言えます。
ほめ言葉が脅し?ちょっと言い過ぎじゃない??
では、こんな例ではどうでしょう。
「片づけたら、おやつあげるよ」や「片づけないと、おやつあげないからね」も子育ての中でよく聞かれる言葉ですね。
これはご褒美をエサにして、子どもをコントロールしようとするわかりやすい例だと思います。
ご褒美という耳障りのよい言葉を使っていますが、脅しのニュアンスが含まれていますね。
「片づけてえらいね」と「片づけないと、おやつあげないからね」の裏側にはどちらも「次も片づけてほしい」という思いがあるはずです。
脅しというかなり厳しい言葉を使っていますが、ほめ言葉の裏側に、間違いなく「脅し」のニュアンスが隠されているのです。
3.自分らしさを失う
ほめられて育った子どもは「いい子かどうか」などの評価にさらされ、常に人の目を気にしながら生きています。
すると、何か行動する時「この行動はほめられるかな?怒られるかな?」と考えるようになります。
つまり、本当に自分がやりたいかどうかではなく、他人の価値基準を優先して行動するようになります。
これが繰り返されると、だんだんと自分自身がなくなり、自分らしさを失ってしまいます。
もちろん、子どものようにほめられる機会が多ければ、他と比べて優越感を感じ、楽しそうに見えますが、大人になるとどうでしょう?
人から褒められる機会が減り、自分自身が価値のない人間かのように思えてしまうのではないでしょうか?
ほめることは自分らしさを失うことにつながるのです。
4.自分で決められなくなる
「ママ、〇〇していい?」とよく聞かれませんか?
ほめられて育てられた子、いわゆる良い子は相手の顔色を見ながら生きているので、ほめられるのか怒られるのか不安でいっぱいです。
怒られることに対して異常に敏感になってしまいます。
- 「ブランコで遊んでいい?」
- 「このお菓子買ってもいい?」
ほんの小さなことにも「〇〇してもいい?」と許可を求めようとします。
自分がやりたいかどうかではなく、自分がほしいかどうかでもなく、親がいいと言うかどうかが優先されてしまいます。
なぜなら、「良い子」でいたいから。怒られたくないから。この気持ちが強くて自分で決められなくなってしまいます。
皆さんも仕事で上司から評価や叱責が怖くて自分で決められなかったという経験ありませんか?
日常的にこの時と心理的に同じような状態に子どももなってしまうのです。
認めるとは?
- 主語が「私」
- 自分の気持ちを伝えること
- 承認とも言う
例えば、
「お茶碗洗いを手伝ってくれて、ありがとう。忙しかったから、私すっごく助かったよ~!」
「100点おめでとう。お母さんもうれしいよ」
とても簡単ですね。自分の気持ちを伝えるだけでいいのです。
なお、これは主語が私(I)になっていることからIメッセージと言います。Iメッセージについて詳しい記事はこちら👇
ほめると認めるの違い
一般的にほめると認めるは同じような意味で使われていますが、全く違います。
ほめることは評価であり良いか悪いかの2面的でしかありません。
しかし、認める(承認)は多面的です。
たとえば、お茶碗洗いを手伝ってくれて、うれしいと感じるのか、助かったと感じるのか、
手伝ってくれたおかげで、自分の時間ができ、本を楽しめてうれしかったのか、どう感じるのか十人十色です。
認める(承認)言葉がけによって、自分の行動が人によってさまざまな見方・考え方につながっていることがわかります。
さまざまな価値観から認められるからこそ、本当のやる気が湧いてくるのです。
認めることのメリット(承認のメリット)
認める声がけであるIメッセージには「お母さんが喜んでくれた。またやりたい!」というように貢献することの喜びを感じる力があります。
皆さんも家族や上司から「手伝ってくれて本当にありがとう!すっごい助かったよ♪」と言われたら、うれしい気持ちなりますね。
同じように困っていたら「また助けてあげたい!」という気持ちも湧いてきませんか?ご褒美や報酬がなくても、相手がただ喜んでいる姿を見るだけで
「またやろう!」「人の役に立ちたい!」
という気持ちが自然に湧いてきます。つまり、子どもの中から本当のやる気が湧いてくるのです。
これが、Iメッセージ(承認)の効果です。
Iメッセージには子どもの本当のやる気を引き出す力があります。
本当のやる気を引き出され、自らの自発的意志でやりたいと思っている子どもは、これらからの変化の激しい時代に必要な力を身につけることができます。
たとえば、
- 自分で考える力
- 創意工夫できる力
- チームで活躍できる力
- 粘り強く取り組む力
皆さんも子どもの頃のちょっとしたいたずらや、秘密基地を作ったことありませんか?
その時、当然ながら大人からやりなさいと言われたのではなく自分の意志で取り組み、自分でどうするか考えたり、いろんなアイディアが生まれ、友達と作戦をたてたり、失敗してもへこたれることなくできるまでやり抜き、大きな結果を出したという経験があるはずです。
あのイキイキとした中で、創造性や粘り強さ、チームワークを学んでいます。
周囲と同じことを我慢してやっていれば幸せになる時代は終わっていると思います。
本当に好きなことの中にこそ、これからの時代を生き抜く力が身につきます。
今からでも遅くない
子どもが中学生や高校生でもう遅いんじゃないかな?と不安に思う人もいるかもしれません。しかし、大丈夫です。
なぜなら、人はいつからでも変われるからです。
例えば、大人になってから素敵な人に出会って、大きく成長したという人は珍しくないはずです。
つまり、子育てに遅すぎるということは絶対にありません。
そして、このIメッセージを使った認める声がけは、決して難しいものではありません。
1つでも多く認める声がけを実践してみてください。きっと、何かが変わるはずです。人生は自分次第です。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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